「村上隆のスーパーフラット・コレクション」展を観ました

「10年前はこんなものが好きでした」「昔はこんなの買ってました」というのは、あまり振り返りたくないものもあるー
村上隆氏はその創作に賛否あれど、目眩がするような金額で取引される現代美術のマーケットにおいて、世界でも指折りの影響力を誇る芸術家です。
通常展覧会はキュレーターの視点のもと、芸術性なり時代性を考慮して作品が選ばれるわけですが、今回は現役作家のコレクション展ということで、創作に影響を与えたであろうもの、言うならば作家の内臓を覗き見るような少し意地の悪い好奇心を満たしてくれます。

「そういえばこんなのあったな」と時代と共に移り変わっていったもの、変わらないもの。
古今東西、種々様々な美術作品を、一つ一つをいい悪いというよりは、それこそ玉石混淆、混沌とした一大インスタレーションのようにすることで、一人の人間の思想史をつまびらかにする(あるいは完全に隠してしまう?)ような独特の迫力を持つ展覧会でした。
現代美術を専門に勉強しているにはほど遠いのですが、通常の洗練された展覧会とは全く違う迫力があり、芸術を観に行くというより、今生きている一人の剥き出しの人間に会いに行くといった感覚が近いようです。

〈独占インタビュー:村上隆、スーパーフラットについて語る〉
〈村上隆なら森美術館より横浜美術館で 浅田彰〉
〈優劣なき「超無差別」の収集センス「村上隆のスーパーフラット・コレクション」椹木野衣〉