AIは本当に「考える」のか?研究から見えてきた可能性と限界
私たちの身の回りでAIの存在感が増す中、誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。「AIは本当に人間のように考えているのだろうか?」という疑問を。
今回は、研究成果から見えてきたAIの思考能力の実態について、わかりやすく解説していきます。
6歳児と同じレベル?AIの「心の理論」
スタンフォード大学の興味深い研究によると、ChatGPTのGPT-4は、6歳児と同程度の「心の理論」を持っているそうです。
「心の理論」って何?と思われた方もいるかもしれません。これは、「他人の気持ちや考えを推測する能力」のことです。例えば、「友達が困っているようだから、助けを必要としているのかな?」と考えられる能力です。
人間の子どもは成長とともにこの能力を自然に身につけていきますが、AIにもその萌芽が見られるというのは、興味深い発見ですね。
AIは一貫した「価値観」を持てるの?
ただし、まだまだAIには課題も多いようです。ある研究では、AIが300以上のトピックについて、どれだけ一貫した判断を下せるかを調べました。
結果として見えてきたのは、AIの判断には「ブレ」が生じやすいという事実。人間なら、自分の価値観に基づいて比較的一貫した判断を下せますが、AIにはそれが難しいようです。
創造性:人間とAI
創造性の面では、さらに興味深い結果が出ています。確かにAIは、平均的な人間よりも創造的なアイデアを出せることがあります。でも、最も創造的な人間には及ばないんです。
言わばAIは、与えられた範囲内で効率的に新しいものを生み出せますが、本当の意味での「創造性」―予想外の発想や、既存の枠組みを超えた思考―には、まだ限界があるということでしょう。
見えてきた可能性と限界
これらの研究から見えてきたのは、AIの可能性と限界の両面です。確かにAIは、人間の思考の一部を模倣することはできます。でも、人間の持つ複雑な感情や価値観を完全に理解し、再現するにはまだ少し道のりがありそうです。
むしろ重要なのは、AIを「人間の代替」として見るのではなく、人間の能力を補完し、より良い未来を作るためのパートナーとして活用していく視点かもしれません。
AIと人間の関係性について、皆さんはどのようにお考えでしょうか?