弊社代表の川名がホコラボプロジェクトのデザインディレクター/患者パートナーに就任

このたび弊社代表の川名がホコラボ・プロジェクトのデザインディレクター/患者パートナー(Design director/Patient partner)に就任したことをお知らせいたします。
2023年よりパーキンソン病の当事者として、患者の立場からの情報発信や研究開発への協働にも取り組んでいます。
本就任を通じ患者視点に基づく情報設計と価値創出を一層推進してまいります。

ホコラボ・プロジェクトとは

ホコラボは、パーキンソン病(PD)患者の歩行障害を緩和し、自分らしく歩き続けられる社会を実現するための運動支援プラットフォームを構築するプロジェクトです。
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期の事業として、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)や株式会社ORPHE(オルフェ)など、産学官が連携して推進しています。詳細は以下をご確認ください。
主な特徴と技術構成は以下の通りです。

1. プロジェクトの背景と目的

パーキンソン病患者は世界的に急増しており、「PDパンデミック」とも呼ばれています。特に「すくみ足」や「小刻み歩行」といった歩行障害は転倒や寝たきりの大きな原因となるため、これらを感覚刺激(音や体の刺激)によって緩和することを目指しています。

2. 中核となる3つの技術柱

「実世界(ユニバース)」と「仮想空間(メタバース)」をつなぐ「インタバース」という概念を中核に、以下の技術を統合しています。
  • 歩行障害計測(スマートシューズ): 靴に内蔵された小型センサーが、日常生活の中での歩幅や足の高さ、すくみ足をリアルタイムで検出・計測します。
  • 介入効果予測(デジタルツイン): コンピューター上に患者の神経筋骨格系を再現した「デジタルツイン」を構築します。これを用いて、どのような刺激がその人に最も効果的かをシミュレーションで予測します。
  • 最適感覚介入(体性感覚・聴覚): 予測に基づき、最適なタイミングで刺激を与えます。
    • 体性感覚: 人工筋肉を内蔵したアシストスーツや、改良型歩行器で物理的に歩行を補助します。
    • 聴覚: 歩行リズムに合わせて音楽やリズム音(ORPHE DRumnerなど)を流し、快活な歩行を促します。

3. 目指すビジョン

単なる技術開発にとどまらず、患者、家族、医療従事者が「共創(Creating Together)」し、病とともに歩む新しい価値観を社会に共有することを使命としています。データの蓄積により、病状の進行予測や薬の効果評価、さらには活動量を減らさない「不活動予防」にも役立てる計画です。

【イベント案内|デジタルヒューマン・シンポジウム2026】

パーキンソン病に伴う歩行障害をテーマに、スマートシューズ・AI・デジタルツインなど日常生活に寄り添う支援技術の研究成果を紹介するシンポジウムを開催します。
  • 2026年3月2日(月)13:00–18:00
  • docomo R&D Open Lab ODAIBA
  • 参加無料(要事前登録)
講演+ポスター/デモ展示あり。
医療・工学・ヘルスケアAIに関心のある方、ぜひご参加ください。詳細・申込は以下をご確認ください。