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クリニックのウェブデザインとロゴ・VIの再定義:同善会クリニック

足立区にある同善会クリニックのウェブサイトをデザインさせていただきました。内科・リハビリ・整形外科・アレルギー科などがあるクリニックです。もともとは保育園の建物だったとのことですので、とても暖かみがある空間です。

『「かかりつけ医」として、また「総合診療医」としては、日常的な健康問題に対する良質な医療を提供したい』という院長の理念と方向性を伺い、建築物が持っていた歴史的なアイデンティティと掛け合わせて、「地域に密着した人の温かみを感じることができるクリニック」というブランドとして捉えるアプローチをさせていただきました。

シンボルとタイプフェイスの調整

ヒアリングにおいてはロゴやシンボルも変えたらどうかというご意見もありましたが、私はシンボルは残した方がよいのではないかと提案いたしました。洗練されきっていない形の中に、何か積み木のような優しさがあると感じたからです。保育園の建物だったこととも親和性があります。

しかし、細かく形を見ていくと、サイズ比が恣意的であったり、細部まで調整されていないことがわかりましたので、そこは一度キチンとした方がよいと考え、ロゴの精緻化を行いました。一方でタイプフェイス(文字)に関しては、完成度が高いとは言えなかったので変更させていただきました。

空間と人間が、事業にアイデンティティを与える

100年以上の歴史があり、クリニックのほか病院もあって、なんと小学校とかもあったらしいのですが、いつのタイミングでこのロゴが出来たのか、なかなか興味深いです。当時のシンボル作成に携わった方は残っておりませんでした。まだブランドという概念もなかったのでしょう、CIに関するガイドラインもないので、どのような思いを込められたのかコンセプトはわかりません。

我々は一般的に、今まで積み重ねとして行ってきたことを崩したくなる時があるし、自分が行ってきたことを振り返ると大したことはしていないと過小評価しがちです。しかし、人は変わっても形は残ります。

私はその当時携われた方々の思いは引き継ぎたいと思いました。ビジュアルアイデンティティは受け継がれた時間を視覚化し、事業に対して誇りを持つことを可能としてくれるツールでもあります。


同善会クリニック – 台東区の総合診療・内科・リハビリ・整形外科・アレルギー科など – 日比谷線三ノ輪駅徒歩3分

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