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儀式とデザイン

子供が七五三を迎えました。私が好きなビクトル・エリセの「エル・スール」という映画に、主人公の女の子が初の聖体拝領の儀式をして、その後父親と踊るシーンがあったことを思い出します。

映画では親子の断絶やスペイン内戦の政治的な背景がありましたが、少女の目線からはかすかに感じられる程度です。聖体拝領は、主人公の成長の兆しを表現しています。宗教的な儀式とは見えない価値を感じるため、精神的なステップを上げていくためのツールであることは、洋の東西を問いません。

小さい子供は、大人がやっていることを真似るのに難しい疑問は感じないでしょう。一生懸命に大人を真似る子供は可愛いものです。しかし自分を振り返ってみると、思春期くらいになってくると、卒業式や入学式など「なぜこういったことが必要なのか」と馬鹿らしく感じる時があったのではないでしょうか。

我々の生活はこれだけテクノロジーが進んでも言語化されない慣習と呪術的な面が残っています。宗教と芸術は切っても切れないといいますが、私は最近、宗教はむしろ高度にデザインされた社会的な機能という側面を感じています。

高度にデザインされたみえない力を感じるツール。むしろ、それこそがデザインの本質的な機能なのかもしれません。

どれだけテクノロジーが進んでも、人間の本質はそんな筋が通ったものではないことに気づいたら、大人の始まりでしょうか。

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