ホスピタル・アートとは何だろう ホスピタル・アートとは何だろう。僕は今いち理解できないままでいる。 昨年、婦人科クリニックの開院時に、小栗 直人さんに描いてもらったイラストレーションが院長に大変気に入られたので、クリニックの一周年に小栗さんのお力添えをいただき、キャンバス…
感想:絵本「ぼくはレモネードやさん」 「可哀想な話」ではなく、むしろ生きることの喜びの表現として優れた、多くの方に手に取って欲しい素敵な絵本です。 知人の出版社から出されたもので、心を動かされる内容です。 小児がんになった子供が、自分の経験を描いた絵本なのですが、内容が大切なの…
儀式とデザイン 子供が七五三を迎えました。私が好きなビクトル・エリセの「エル・スール」という映画に、主人公の女の子が初の聖体拝領の儀式をして、その後父親と踊るシーンがあったことを思い出します。 映画では親子の断絶やスペイン内戦の政治的な背景がありました…
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレに行ってきました。 第一回以来ですので、ほぼ20年ぶりです。 子供連れが多かったのが印象的でした。 恒久展示作品も増えて、地域の特色とリンクした芸術の新しい在り方が見えてきたように感じました…
ゴードン・マッタ=クラーク展 東京国立近代美術館にて開催中のゴードン・マッタ=クラークの展覧会に行きました。 ストリートカルチャーらしさの中にも都市と生活に再考を促すような、現代に通ずる批評的な表現があったかと。「ビルディング・カット」シリーズは文字通り、我々が日常…
展覧会感想:プラド美術館展(国立西洋美術館) 知人よりプラド美術館展内覧会の招待券をいただいたので観に行きました。国立西洋美術館は久しぶりです。 ベラスケスの「バリェーカスの少年」など現代にも通じる表現としての強さと社会に対する観察眼があります。ベラスケスも良かったのですが、ティツ…
杉本博司氏が手がける「小田原文化財団 江之浦測候所」に行きました 現代美術家の杉本博司さんが手掛ける江之浦測候所に行きました。 日本を中心に美術史を引用して作り上げた観念の庭とでも言うべき空間です。曇り空に小雨が降り続く一日でしたが、むしろよかったのではないかと思います。 西洋と東洋 私は芸術の専門…
観世能楽堂│ギンザシックス 先月開業した銀座の商業施設ギンザシックスへ移転された観世能楽堂に、能を観に行きました。仕事に追われてすっかりご無沙汰でしたが、私は能と狂言が好きです。サッカーを観るのも好きで、それはテレビでもいいんですけど、能はテレビでは難しいです。能は…
桜の木の満開の下には 多くの人が満開の桜を見上げる中、地べたに落ちた花びらを撮る子供の感性に驚嘆します。 人と同じものを見て、同じように美しいと感じる必要はないことを、君は僕よりもずっと率直に表現してみせる。 君が撮る写真を通じて、君の世界を垣間見る。写真…
「魔法の世紀」を読みました。 メディアアーティストにして研究者である落合陽一氏の「魔法の世紀」を読みました。 十分に発達した科学は魔法と区別がつかない、20世紀の「映像の世紀」から「魔法の世紀」へ――次世代と言われるIoTは予測された通過点でしかなく、その先にあるものは…
「村上隆のスーパーフラット・コレクション」展を観ました 「10年前はこんなものが好きでした」「昔はこんなの買ってました」というのは、あまり振り返りたくないものもあるー 村上隆氏はその創作に賛否あれど、目眩がするような金額で取引される現代美術のマーケットにおいて、世界でも指折りの影響力を誇る芸術家…
倉俣史朗の椅子の前で考えること 先日、倉俣史朗のニュースを久しぶりに見た。 「ミス・ブランチ」には、作られてから30年近く経った今でも、デザインの再定義を促す力がある。 椅子は、機能的であることが重要なのか。 座り心地がよいことが重要なのか。 あるいはただ部屋の飾りとして…