Categories: essay

子供のための創造性とコミュニケーション

うちに0歳の娘がおりますが、泣いているときにこの絵本を読む(見せる?)と結構な確率で泣き止みます。
(長男(7)にも読み聞かせていたので、かなり傷んでます)
確か友人にプレゼントしていただいた本なのですが、著者の方に感謝したいですね。

でも内容が理解できているとはとても思えないので、不思議です。
長男もこの類の絵本が好きでしたが、娘の方がその傾向がより強い印象を受けます。
何でもいいわけではなく、この絵本なのです。

この絵本に赤ちゃんが惹きつけられる理由は何なのか、適当な言葉を当てはめることはできても、的確に説明できそうにありません。
この絵本の魅力は、我々大人が読み取れる文脈とは、本質的に無関係ではないでしょうか。

赤ちゃんがこの絵本のどこを見ているのか、何を感じているのか、とても興味深いです。

「よい絵本」の基準とは何か

大人から見て「この本を読ませたい」「こういったものを好きになってほしい」という本があります。
色使いが素敵とか造形がかわいいとか。
裏返しに考えると「テレビゲームはさせたくない」「くだらない動画コンテンツは見せたくない」というのもあると思います。

でも子供が見ているもの、子供の感性を育てるものは、大人が認知できるものとは全く違うものなのではないでしょうか。

私達が子供に教えられることは「大人はこういったものが好き」とか「大人は世界をこう見ている」というある種のコモンセンスにすぎません。
社会で生活をしていくうえでは常識は必要不可欠ですし、そういった「常識」を読み取れる子供はとてもいい子ですが、「常識」はその人自身を創る経験とは言えません。

「こういったものが正しい」という表現をしたり、「これを好きになってほしい」というものを与えても、子供が反応してくれるわけではないですね。
誰かの心に感応する表現というものは、たやすく言語化・常識化できない、ある種の例外的な事象なのだと思います。
その特殊な経験「だけ」がその人の豊かさを創るのではないでしょうか。

これは大人でも全く同じで、創造性とコミュニケーションの本質を考えさせてくれます。

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