多くの人が満開の桜を見上げる中、地べたに落ちた花びらを撮る子供の感性に驚嘆します。
人と同じものを見て、同じように美しいと感じる必要はないことを、君は僕よりもずっと率直に表現してみせる。
君が撮る写真を通じて、君の世界を垣間見る。写真は驚異的だ。人は同じ時間と空間を共有しても、見ているもの感じていることは全く違う。そして子供の眼差しは、平凡にしか見えない世界が美しいということを繰り返し教えてくれる。平凡なのは、僕の頭の中なのだ。
君は嬉しそうに見せてくれたたくさんの花びらを、ガラス鉢の水にそっと浮かべた。それを美しいことだと君に教えたのは、君の母だ。