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展覧会感想:プラド美術館展(国立西洋美術館)

知人よりプラド美術館展内覧会の招待券をいただいたので観に行きました。国立西洋美術館は久しぶりです。

ベラスケスの「バリェーカスの少年」など現代にも通じる表現としての強さと社会に対する観察眼があります。ベラスケスも良かったのですが、ティツィアーノの 「ヴィーナスとオルガン奏者とキューピッド(ウルビーノではない)」は寓意画のような印象で、色々と絵解きを考えてしまいました。個人的には時代や国を写す鏡のような静物画(ボデゴンと呼ばれるスペイン絵画)もおもしろかったですね。

権力と芸術。市井に暮らす人々の生活。17世紀のスペインにおいても人間の考えていたことはそんなに変わらないんじゃないかと感じます。

ちなみに国立西洋美術館のロゴマークのデザインは、大御所の松永真氏。ロゴは時代が変わると古臭くなることがありますが、古びることのない美しい形をしています。それはたまたまではなく、デザイナーの思考が未来に向けて伸びていたということと、なにより携わる方々の絶え間ない努力が、ロゴマークという象徴を古びさせないということです。

子供にも真似できそうなこの形が、ほとんど誰にもたどり着けない。それは時間の経過とともに、より明らかになっていきます。だからグラフィックは面白いのです。

icon-angle-double-right プラド美術館展(国立西洋美術館)

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